業種別のSDE倍率一覧|実際の成約統計にもとづく相場データ

最終更新 2026-08-15

事業の売却価格は「SDE × 倍率」で決まりますが、その倍率がいくつなのかを業種別に公開している日本語の資料はほとんどありません。ここでは当社が査定に使っている倍率を、出典とあわせてすべて公開します。

この表の数字はどこから来ているか

基準にしているのは、IBBA(国際ビジネスブローカー協会)が集計している、実際に売買が成立した取引の統計です。米国のデータですが、小規模事業のM&Aにおける倍率の考え方は日本でも同様に使われています。

加えて、当社の実務経験にもとづき、日本市場での適用レンジに調整しています。

出典が確認できない業種については、その旨を明記しています。 根拠のない数字を、あたかも統計であるかのように示すことはしません。

倍率の高低は何で決まるのか

業種によって倍率が違う理由は、突き詰めると一点です。引き継いだあとも、利益が続きやすいかどうか

製造業の倍率が高いのは、設備・技術・取引先との長期契約という「引き継げる資産」が多いためです。飲食業が低めなのは、味や接客がオーナー個人に依存しやすく、撤退リスクも高いと見られるためです。

同じ業種の中でも、仕組み化されている事業ほど上限に近づき、オーナー個人に依存している事業ほど下限に近づきます。

倍率を上げるためにできること

売却の6〜12ヶ月前から準備できることがあります。倍率は固定ではなく、事業の状態で動きます。

業種別SDE倍率一覧(20業種)

当社の査定ツールが実際に使っている数値です。中央値は下限と上限の幾何平均で算出しています。

業種下限中央値上限根拠
カフェ・喫茶店22.282.6実取引統計・実務ガイダンス
レストラン・飲食店1.52.123実取引統計・実務ガイダンス
焼肉店22.453実取引統計・実務ガイダンス
学習塾・教育1.92.473.2実取引統計・実務ガイダンス
美容室・サロン1.61.922.3実取引統計・実務ガイダンス
整体・整骨院1.61.962.4実取引統計・実務ガイダンス
製造・加工33.464実取引統計・実務ガイダンス
EC・ネット通販22.834実取引統計・実務ガイダンス
IT・ソフトウェア33.464当社想定(統計は確認中)
自動車整備・車検工場2.12.513実取引統計・実務ガイダンス
清掃・ハウスクリーニング22.322.7実取引統計・実務ガイダンス
ラーメン店1.31.872.7実取引統計・実務ガイダンス
バー・スナック1.21.622.2当社想定(統計は確認中)
英会話・スクール1.92.473.2実取引統計・実務ガイダンス
家事代行・便利屋22.322.7実取引統計・実務ガイダンス
建設・工務店22.653.5当社想定(統計は確認中)
小売店・物販1.52.123当社想定(統計は確認中)
ジム・フィットネス1.82.242.8当社想定(統計は確認中)
コインランドリー2.52.963.5当社想定(統計は確認中)
運送・配送1.82.242.8当社想定(統計は確認中)

「当社想定」と記載した業種は、該当する実取引統計を確認できていないため、 一般的な幅を業種特性で調整した数値です。統計にもとづく業種と区別して表示しています。

よくある質問

この倍率は日本の取引にそのまま使えますか?

考え方は同じですが、そのままではありません。当社は米国の実取引統計を基準としつつ、日本市場での実務経験にもとづいて適用レンジを調整しています。各業種のページには、どちらを根拠にしているかを明記しています。

EBITDAや年倍法とは何が違いますか?

年倍法(純資産+営業利益×2〜5年)は日本の中小M&Aで広く使われますが、オーナー報酬の設定次第で結果が大きく変わる弱点があります。SDEはオーナーの裁量費用を戻してから評価するため、小規模事業の実態に近い数字が出ます。EBITDAは一定規模以上の企業で使われる指標です。

倍率の上限で売れることはありますか?

あります。ただし上限が適用されるのは、オーナー不在でも運営できる体制、複数拠点への展開余地、独占的な仕入ルートなど、明確な理由がある場合です。「希望額」ではなく「理由」があるかどうかで決まります。

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