最終更新 2026-09-23
子どもは継がない。従業員に継ぐ人はいない。それでも会社は回っている。——後継者がいない会社の選択肢は、実は4つしかありません。並べて比べると、自分の会社に合うものが見えてきます。
後継者がいない会社が取れる道は、次の4つです。
子や親戚に継ぐ人がいれば、取引先・従業員の理解を得やすく、引き継ぎもゆっくり進められます。株式の移し方(相続・贈与・売買)で税金が変わるため、早めに税理士と設計するのが定石です。
一方で、本人が望んでいないのに継がせると、数年で行き詰まることが少なくありません。継ぐ意思があるかどうかを、遠慮なく本人に確かめるのが最初の一歩です。
長く働いてくれた幹部に継いでほしい、という気持ちは自然です。事業を知っている人が継ぐので、取引先も安心します。
止まりやすいのは資金です。株式を買い取るお金を従業員個人が用意するのは難しく、金融機関の融資や、オーナーが分割で受け取る形(数年かけて支払う)を組み合わせることになります。この場合、オーナーの手取りは第三者への売却より少なく、時間もかかるのが一般的です。
同じ商圏の同業、近隣で多店舗展開を考えている事業者、独立を考えている個人などに売却します。買い手は「時間を買う」目的なので、設備・顧客・従業員がそのまま揃っていることに価値を見ます。
手元に残るお金が最も大きくなりやすいのがこの選択肢です。価格の目安は、業種ごとの利益の倍率で計算します(ここでいう利益は、社長の役員報酬と減価償却を戻した、この店が1年で生んでいるお金のことです)。業種別の売却相場で、自分の業種の倍率を確認できます。
「うちのような小さな会社に買い手がいるのか」という心配については、会社をたたむ前に、一度だけ確認してほしいことで、実際によくある誤解を整理しています。
廃業は、原状回復・設備の処分・従業員の退職金・在庫処分と、お金が出ていく選択肢です。同じ会社が売却では値段が付くことが多いので、廃業を選ぶ前に、売った場合の金額と並べて比べることをおすすめします。
ただし、許認可が承継できない、オーナー個人の資格が無いと営業できない、といった場合は廃業が現実的なこともあります。その場合でも、設備や顧客リストだけを部分的に譲渡できることがあります。
国は各都道府県に「事業承継・引継ぎ支援センター」という無料の相談窓口を置いています。売るかどうか決めていない段階でも相談でき、親族承継・従業員承継・第三者承継のどれについても中立的な立場で話を聞いてくれます。
全国の窓口は中小企業基盤整備機構の事業承継・引継ぎポータルにまとまっています。ツナギバの各都道府県の相場ページにも、その県の窓口の電話番号を載せています。
当社で相場を見て、公的な窓口で意見を聞く。判断の材料が2つあると、決めるのが楽になります。当社の査定は匿名・登録不要で、売却をおすすめすることはありません。
後継者がいないまま、どのくらい先送りできますか?
会社が回っている限り先送りはできますが、業績・オーナーの年齢・健康で条件は悪くなる一方です。とくに第三者への売却は、オーナーがまだ元気で引き継ぎに動ける時期のほうが、価格も買い手の反応も良くなります。決めなくていいので、選択肢と数字だけは早めに見ておくことをおすすめします。
従業員に継がせたいのですが、資金がありません。
金融機関の融資、オーナーが数年に分けて代金を受け取る形、退職金の活用などを組み合わせるのが一般的です。事業承継・引継ぎ支援センターや取引金融機関に相談すると、使える制度を案内してもらえます。
親族承継と第三者売却、税金はどう違いますか?
親族に贈与・相続で移す場合は贈与税・相続税、売買なら譲渡所得税がかかります。第三者に株式を売る場合は譲渡所得税(20.315%)です。事業承継税制など特例もあり、状況で大きく変わるので、税理士に確認してください。
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